◇市場めぐり◇

旅先ではどこへ行っても市場へ行くのが楽しみです。 沖縄は海外ではないものの独自の文化があるから市場は絶対に行こうと思っていました。

旅行も最終日、朝食をすませ、まだホテルでゆっくりしたいと言う親と朝から別行動をして公設市場までお散歩。 意気込みすぎて早く到着しすぎたようで、まだ開店前でひっそりとしていた。 

魚屋さんの前で猫の親子が朝食をもらっている。 暖かいところの猫は幸せだねえ、おまけにこの辺なら食事にも困らないねえ。 近寄ってカメラを向けたら案の定「なに撮ってんのよ!やーね」とばかりに警戒された。 シャー!って威嚇されないだけましか。 だってお店がまだ開いていないからヒマなんだよー。 沖縄猫よー、相手にしてくれよー。 と話かけてみたが相手にしてもらえなかった。 しくしく。

仕方がないからフラフラと同じ道を行ったり来たり挙動不審者になりながら開店までやみくもに歩きまわってやっと開店時間になった。 

まだ地元の人は買い物にきていないので市場にいる人といえばみなさんカメラを持った個人観光客ばかり、お店の方々、ひやかし客ですみません、とか思いつつまずはお魚屋さんへ。

へーこれが、噂に聞いていた青い魚かー! お店の方曰く、中味は白身の魚なのになぜ君はそんなに青いのだ? 隣にはコントラストをかもし出す真っ赤な魚。 ご丁寧に名前も書いてくれているのだが、聞いたことがない魚が沢山いる。
わははは、この魚の名前「オジサン」だってよー、そう言われるとオヤジ顔だよ。と魚屋の前で笑いたくなる。 
ををっ! 豚の顔まで売ってるよ、このまま顔で買っていくのだね! ビニール袋にドスンと顔入れて帰るのかしら? で、家帰ってからどうやって調理するんだろうなあ。 ミミガー(豚の耳の炒め物)は食べたことがあるが、所詮豚足すら食べられない私にゃちょっと無理かもしれない。 それでも調理法は聞いてみたい。  

ひとつひとつの店の前で立ち止まって凝視している私の心の声は絶対に彼らお店の方には届いていたものと思われる。 どのお店へ行っても皆さん親切で、聞こうとする前からものめずらしさに目を見開いて立ち止まる冷やかし客の私にいろいろ説明してくださる。 こういう客には慣れっこではあるだろうが、開店した途端にやってきてフラフラする客だというのに親切に説明してくださる。 (しかし肉屋さんは店員さんがおらず聞けなかった。)

ここで買った食材は2階の食堂で調理もしてくれるというのに、なんでもかんでも食べてみたいけど一人じゃ無理があるのが残念。 父親だけでも連れてくりゃよかったわー。
果物もみたことがないのが多い。 南国フルーツなのだねえ。 小さめのパイナップルを試食して美味しかったので買ってしまった。 旅行にはいつもスイスアーミー・ナイフを常備しているのだが、今回の旅行は機内持ちこみのスーツケースだけだったので空港でひっかかるのも面倒と思い持ってこなかったからホテルで食べずに家への持ちかえり覚悟で買う。 しかし、帰りの空港でしっかりと梱包されているお土産用を見つけてちょっとだけ悲しかった。 手さげバックに直でパイナップルを入れて帰ってきたのでした。 
シークワーサー他のフルーツジュースといい、うこんといい、沖縄の色は黄色が多い。 
 
「写真をとってもいいですか?」とお店の方に聞くと皆さん笑いながら「どんどん撮って宣伝してください!」とか言ってくれます。 

このお店にて前々から一度は使ってみたいと思っていた自然海塩を購入。 通常の塩よりも細かい結晶でパウダー状になっているミネラルも数倍という塩は噂の通りの美味しさでした。 また、沖縄にいる間中、過去何度かお土産で頂いた石垣島のラー油を探しまくっていたのですが、そのメーカーのものはどこにもありませんでした。 メーカー名を忘れてしまい、瓶の形でしか覚えてなかったので、もしかすると瓶のデザインが変わっただけだったのかもしれません。 メーカーが判らないからお店の人にも聞けやしないのでした。ちっ!
買い物もほとんどすませ、ついでに沖縄ガラスの店でベッドサイド・ランプまで買ってしまい(−−)ホテルに帰ろうとしたところ、市場の路上で御餅を売っているのを見た。 買いに来ている人がみな15個20個と御餅を買っていく。 
沖縄の人はお正月じゃなくても御餅がメジャーなの?と、ここでも立ち止まり御餅を凝視しつつ考えていたら、そんな私の心を声を聞いたのか、「今日はお彼岸だから沖縄の人は御餅をご先祖様にお供えするんですよ」と買いにきていたオジサンが教えてくれた。 
沖縄のお墓って本州のお墓と全然形が違うのですね。 読谷までの道沿いで墓地近くを通った時、母が「お墓を見てごらん」というのでスピードをゆるめた時があったのです。 そして、本土で見る長方形の墓石とは全く違う、墓石がまるで小さな家のようになっているのを見てビックリ。 母が以前来たときに観光ガイドさんに聞いた話ではそのお墓の前で子孫がピクニックのように集まりご先祖様の供養をするのだそうです。
ご先祖様を大切にするってのはいいことです。 お彼岸だってーのに沖縄に家族でやってきている私達、帰ってからお墓まいりに行こうとちと反省したのでした。 (そして後日しっかり行きましたぜ)