◇天は私に味方した!◇

ホエール・ウォッチング当日、テレビの予報では曇りのち雨。 波浪注意報がでている。 波浪注意報ってやっぱり波が高いってーことですなあ。 とりあえずホテルのロビーにて待っていると担当さんがやってきた。

「お天気が午後までもちそうですから出航できます。 でも波が高いから酔い止めを飲んだほうがいいですよ。」と言われた。
私は飛行機は苦手意識も強いので、機内で寝るために酔い止めを服用することもあるけれど、なぜか船は平気。 それどころか、船の揺れがなんとも好きだったりする。 しかし波2メートルの波浪注意報がでている海では小型ボートだとしたらそうとう揺れるかもしれない。 とりあえず親には酔い止めを飲んでもらうことにして、担当者さんの車の後を運転して港に到着。 乗船する船は50人乗りだそうで思ったよりも大きかったので、これなら多少の揺れでも平気だよとニヤリした。

まずは乗船スタッフからの説明を聞く。 船の先頭を時計の12時と見たててスタッフさんがクジラを見つけたら「○時方向」と教えてくれるそうだ。 
クジラが出産と子育てにやってくる慶良間諸島までは那覇から1時間弱の船旅。 50人乗りの船とはいっても特に全員分の椅子がある観光船なわけでもないので、全員が甲板に直接座り、波に揺られつつの移動。 乗員した40人くらいがおそろいのライフジャケットを着て、船の中央に固まって全員体育座りをし、その付近でスタッフさんが仁王立ちしているシーンはなんとも滑稽。 どんよりと重く厚い雲と灰色の海、みなさん言葉少なげでますますどこかへ連れ去られるドナドナ集団に見える。 エンジンが弱くなったなあ、そろそろポイントに来たのかなと思ったとき、突然スタッフさんが「3時方向です」と叫んだ。

そこには海上から真っ白い潮が吹いているのが見えた。 潮を吹いてからしばらくすると海面にクジラが姿を現すのだ。 しばらく揺れ揺れの船から海をみていると尻尾がみえた。 船上のあちらこちらで歓声があがる。 しかし、このクジラ、どうも肺活量が多いらしく、(それとも恥ずかしがり屋さんなのか?)一度だけ海面に尻尾だけ見せて潜ってしまったらなかなか浮かび上がってこない。 しばらく待ってみたが浮上する気配がないので、ポイントを移動することになった。 エンジン全開にして更に20分程かけて、島の反対方向へと移動。 エンジンを切って波に揺られて待っていると遠くで潮が上がるのがわかった。 そしてまたその周辺を凝視。 ボーっと見ていたら親子のクジラが優雅にシンクロナイズしつつ泳いでいる。 そして子供クジラが跳ねた♪ 

親クジラは一度潜ってしまうと15分近くは海面に上がってこないそうだが、子供クジラは活発に跳ねた続けるそうで、もっと跳ねて〜♪の声に答えてか元気に跳ねたり、尻尾をふったり大活躍してくれた。 しかし、大きな海原でのあっという間の出来事なので写真に納めるのはなかなか大変。 おまけに空も海も灰色で、なぜか出来あがった写真をみたらご覧のように白黒に近いものとなってしまった。 両手でカメラを構えている余裕がないくらい船が揺れるので片手はその辺りの棒につかまりながら片手でカメラのシャッターをきる。 すでに酔い始めた方も数人でてきた。 そんなことも知らず浮かれて自分のバックを甲板の隅に置いたまま船内をうろいていた間に、私のバックの真上で危うく大惨事が起こるところだったらしい。。。。。(−−l) 

この波の揺れにまかせつつフワフワと揺れているのが気持ちいいのになあと思っていたが、クルーズ最後のころはどんどん雲も厚くなり、波もますます高くなったのでツアー参加者の半数以上の方が酔ってました。 幸い酔い止めを飲んだ両親は船酔いもなく、なかなか楽しんでいたようなので、よござんした。 これで今回の旅行の目的は達成されたわけです。 私も久しぶりに見るくじらの尻尾に満足、満足。