アムトラック Acera

用事があるので電車にてボストンへ向かう。 アメリカ版新幹線、アセラ(ACERA)の登場でいままでは4時間はかかった列車の旅も30分ほど短縮された。 ボストンとワシントンDCに限っていえば、空港にいってチェックインして1時間の空の旅をしてまた向こうでタクシーに乗ってダウンタウンまで、なぞとやっているくらいなら街のど真ん中から発着する電車のほうが数倍楽。 それに飛行機あまり好きじゃないんだよね実は。。。 

ちょっとだけ「JRのぞみ」顔一等車以外は全部自由席だ。 それでも車内は各座席の足元にはパソコンのために電源のコンセントがある、車両によってはテーブルが大きくそのまま4,5人でミーティングができるようになっている、ビジネスマンにいたれりつくせりな電車だなあ。 その中の一両に「クワイエット・カー」ってのがあった。 静かな車両とは一体なんそや?と思ったら、携帯電話も商談もなんでもありの車両と違いこの車両だけは私語禁止!なんですって。  2人で乗車した人がおしゃべりしたら車掌さんが「他の車両にいってください。 向こうも空席沢山ありますから。」と言いにきたよ。 とにかく、えらい静かなのである。 どこからか新聞をめくるパラリという音すら聞こえる静かな車両。 一人旅や寝たい人にもしっかり対応してくれているこういう車両が日本の新幹線にもあるといいのになあと切実に思ったりした。 眠いときにお子様の声やおばちゃん団体のおしゃべりは非常につらいものがある。 旅のお供のCDプレーヤーもこれならいらないよ。

所用をすませる前に、友人N氏とCちゃんの事務所へ行く。 彼らとは夜明けのコーヒーを飲む仲だった。 仕事の徹夜で早朝4時ごろにボロボロな顔で足をひきづって近くの24時間デリの煮詰められたコーヒーを最後の力をだしてすする仲(;;) ああ、あと数時間でまた馬車馬のようにかけずりまわるのねえと嘆いたりしたけど元気がありすぎた時代からの知り合い。 数ヶ月前、日本で会った時も、そしてクリスマスカードにも「突然いくかもしれないから、オフィスの掃除はしておくように」とリクエストしていた甲斐もなく。。。。。 「お引越ししてきたのですか?」と聞かれてもいいような荒れ放題なオフィス。 似合っているといえば似合っているが、もう2年もここにいるとは思われないだろうね。   
久しぶりのボストンであったのだが、どこへ行く元気も気力もなかった。 N氏も一緒に働いているCちゃんもはすでにこの理由を知っていたので気は楽だった。 それに外は−15度だ。 明日は−20度らしいし。 「どっちにしろ、外に出てる場合じゃないでしょこの寒さ。」と言われ、用事の時間以外はオフィスで遊ばせてもらうことにした。 時々旧職場からの仕事依頼のファクスが届いたりする、まさか私がここにいるとは彼らも思うまい。。。

日帰りするつもりでいたのだが、書類準備が1日で終わらず一泊することになった。 予定が入っていたCちゃんとはお別れし、オフィスをでて、働いていたころよく使ったホテルのロビーが修復されたのを見学したり、ボストンコモンっていう公園のまわりを昔話なぞしつつ夕飯へ。  日本のドラマのロケにもなったとかの日本食レストランに連れていってもらった。 
その後、車の中で24時間デリのコーヒーをすすっていたらMサイズの紙コップにLサイズの蓋をしてしまったため2人共飲むたびにダーダーとコーヒーを洋服中にこぼしてしまう。 暗くていまひとつこぼれていることに気がついていなかったのよ(T△T) どうもボストンでのコーヒーってのはイメージ悪くなるばかりだわ。 ああ、染み抜きしないと!、明日もこのスカートをはかないといけないのよね。。。


ボストン

駅の発着表示も飛行場風。翌朝吹雪だったりする。 これなら-20度のほうがいいなあ。 あら、-15度ですか、そりゃ顔も痛くなるわけですね。 顔がピリピリすると-10度以下だとわかる便利な顔です。。。

アポイントの時間には余裕をもたせてあったのだが、大雪のせいでタクシーがつかまらない。 タクシー会社に電話をしても忙しいらしく誰も出てくれない。。。この為に今回は入国したのにここで遅刻したらシャレにならないよなあと少しだけ不安になる。
目の前を地下鉄が走っているので目的のビルの近くまで行ってみようと一度は決心したものの、結局N氏に迎えにきてもらう。 ところが、迎えに来てくれたころには数十分前までの吹雪は嘘のようにやんでしまい、青空まででてしまって目の前には空車のタクシーがガンガン通る状態。 お仕事中、ますますスミマセン。

無事に用事もすみクィンシーマーケットにてFISH&CHIPSのお昼を食べ、またオフィスでダラダラしていたので、NYに戻ってきたときは夜の9時だった。 そのままドーナツ屋さんに走ってドーナツを24個買い、深夜便のビジネス便を使いドーナツをボストンに送った。 Cちゃんの友人がNYに遊びに来たとき「倒れるくらいに美味しい」と絶賛したという話を聞いていたので御礼もかねて送ったのだ。  ビジネス便のカウンターで「ドーナツ代よりも送料のが高いぞ」と笑われたけど「これだったら送る価値はあるな、そうかボストンにはまだ店舗がないのか。」とも言っていた。 私の場合は、南部の州には昔からあったお店だったのでよく食べていたのだが、久しぶりに夜食用に2つ買った。 モチモチ感がなんとも言えない〜。 コーヒーにつけて食べちゃったりしても美味しいのよね。 


♪雪や〜ガンガンッ
いつもは大渋滞のPARK AVE. 平日のお昼ですでにこの状態ニューヨークに戻ってきて、翌朝起きたら大雪だった。 ブリザード到来、7年ぶりの大雪らしい。テレビのローカル局では次々に休校となる学校の情報を流している。  
7年ぶり? そういやあの時「学生はいいよなあ、職場も休みになればいいのになあ」とか思っていたっけな。 そういう状況になるとますます忙しくなる職種だったので本社からの早仕舞いOKの連絡が入り帰宅できるころには40センチは降り積もってしまい、途中遭難するかと思うくらいだった記憶がある。  

NYの会社では結構「早仕舞いOK」の連絡がでます。 電力会社のタンクが火事になって街中が停電になったときとか、カリフォルニア州でのあった裁判の判決が納得できないと暴動になったので余波でこっちも危なくなると噂がはいあったからとか、水道管が壊れて地下鉄が水浸しになったとか。 いいのか悪いのか。。ですけれど。 

朝からテレビでは雪かきバイトを市が募集中。 ニュース・キャスターが「用事がなければ家にいなさい」とも言っている。 でも雪が溶けはじめると、それはそれで、街中に水溜りができるし、すべるしで歩きづらいので今日予定していた用事だけはすませようと歩いて目的の場所までいってみた。 快晴なら20分もありゃ到着する場所に倍の時間をかけてやっとたどりついたら「大雪のため本日臨時休業」との張り紙がしてあった。 うがー、タクシーも通ってなけりゃバスなんて待っていたって、この状態じゃいつくるかなんてわからない。 仕方なく、また歩いて帰ることにした。 通りがかった五番街の有名ブティックですら臨時休業の張り紙が多かった。 
5番街、除雪はしたもののこれだけ降ると路上に置いとくしかない数日後、雪解けのNYでの歩行は、排水が悪いからといって水溜りに気をとられ下ばかり見ていると思わぬことが起こる。  
それは、高層ビルから落下してくる氷の塊。  室温と外気の温度の差からできる結露が凍り、それが気温の変化で溶けだして落下してくるのだ。 大体のビルは氷の予想落下地点をテープで囲ってあるのだが、予想外のところからもバリバリと音をたてて落ちてくることがある。  今回も間一髪の経験を2回したが、百メートル上から落ちてくる氷の塊に直撃したら痛いだろうなあ、痛いだけですめばラッキーか。。 バレーボール級の塊もあるからさあ。。。怖い。 


こんな雪の日は

向かい側からお店に渡る雪超えに苦労しました。「こんな雪の日は絶対に空いているから食事に行きましょう」とO嬢の知人であるAさんからお誘いを受けた。 セレンディピティ3でブランチ♪のご招待だあ。
 
このレストランは映画の舞台として使われ、おまけにタイトルにまでなってしまったので(邦題「セレンディピティ」邦題案には「恋人達のニューヨーク」ってのがあったらしい。 べただ!べたすぎる! どうもNYの恋愛ものはオリジナルタイトルにかかわらずニューヨークってつく場合が多いねえ。)ますます有名になってしまい観光名所として混雑するようになってしまった。 休日のお昼なんざ店の外に行列ができる。 並んで食べるほどのもんではないと根性なしなことを思ってしまうのでご無沙汰となってしまったが、Aさんはさすがにこんな雪の日は観光客もそんなにこないだろうと思って誘ってくださったのだ。 じゃあオムレツだな。。。。とすでにメニューは頭の中で決定。 映画にもでてきたホット・フローズン・チョコレートって飲み物が名物なんだけど、名前からすでに甘そうなので頼んだことはありません。 チョコレートドリンク好きだよねアメリカの人たち。。

右の棚はこういう形なの。 魚眼レンズじゃないのよ。レストランはやはり空いていた(^^)
店内はうなぎの寝床のようになっており、細長く、入り口には懐かしいブリキのおもちゃやお土産などが売っている。 奥の奥でまで進んでいってすでに到着しているAさんにご挨拶。 Aさんのお宅はここから歩いて3分の場所にあるから雪でもすぐに来れたそうだ。アタシは雪に埋もれながら来ましたよ^^; O嬢もすぐに到着。 店内は沢山のステンドグラスのランプとアールデコ風のカーブした家具がおいてあって雰囲気は非常によい。 映画のポスターまで飾ってあるのはご愛嬌かな。 
それでも食事をしていると、どんどんと人が増えてきた。 どうも同じような考えをしてくる人も多いようであっという間に満席になってしまった。 早めに来て正解でしたね。  久しぶりにオムレツを食べたが、あいかわらず大きかった、一体卵を何個使っているのだろう。
ブランチをした後は雪もまばらになってきたのでちょとだけ散歩。 鼻が冷たいよ。
 


物価

こういうものを買うから荷物が多くなるんだよ。たかが数年の間というのに、例テロ、9-11前までのNYはバブル経済ではないのか?といわれるくらいに景気がよかった。 よってアパートの賃貸料も跳ねあがったという。 現在マンハッタンで新規で借りるとするとスタジオ(ワンルーム)ですら1000ドル以下のアパートなぞ探すのが大変らしい。 運よく見つけたとしてもスリル満載の地区だったりするそうだ。 東京の物価と比べると安く感じるが、これはアメリカの他州(除く大都市)と比べると桁違いの賃貸料金だ。 (ちなみに私がいたころはこのサイズのスタジオは700ドルくらいからあったと思う。)

エンパイアーステートビルの入場料は$3.75だったのがどーして$10にもなるんですかね? 久しぶりに展望台にでも上ろうかなあと思っていたのだが、展望台は雲の上、おまけに丁度テロ警告がでていてオレンジ色のレベル(上から2番目に危険)の時期だったのでやめたのだが、10ドルは高い!と思わずにはいられない。日本1000円の価値とアメリカでの10ドルの価値は全然別物に思える田舎もんなのさ。
グロサリーショップにいっても物価が上昇しているのがわかった。 33セントくらいだったゼリーの素が85セントになっていた。 トイレットペーパーはあいかわらず日本のダブルを3枚重ねたくらいに厚いけど高くなったなあ、とスーパーマーケットで隅から隅までまわってしみじみ。 これで手のひらを頬にあてたりして立ち止まっていると完全にオバサンであるな。。。。へへ。  いまだに持っているスーパー専用カード(銀行口座から直接料金が差し引かれるデビットカード) が使えたのには笑った。 まあ銀行口座がまだあるのだから当然といえば当然だけど。

これは日本製の地下鉄車両です。落書きが簡単に落とせる車体なんです。物価が上昇したなと思う反面、あいかわらず私のお気に入りの朝食、デリで買うベーコン&エッグのサンド(食パン(白、胚芽いりとか、黒パンとかいろいろあるけど私は白パンのトーストにカリカリベーコンと目玉焼きのっけてサンドイッチにしたもの)とライト・コーヒーは99セントなのだなあ。 (ライトコーヒーとは牛乳がこれでもか!と多めのコーヒーのことです。 どうもこれは米語らしい。 以前ヨーロッパにてライトコーヒーといっても通じませんでした。 何回も繰り返して言ったらコーヒーのお湯割がでてきました。。。日本でいうアメリカン・コーヒーも薄いからそういうわけなのね、と妙に納得したことがありました) 
 
地下鉄も運賃は上がってなかった、むしろ安くなっていた。 1日パスが4ドルとのことで、地下鉄とバスが共通料金そしてどこまで乗っても均一料金なNYで一回1ドル50セントを3回のればお得になってしまう。 これは助かった、おかげで以前は歩いていた距離すらもバスに乗っちゃったりしてしまったけどさ。 


そしてジャンク

WHOPPER!そろそろ日本に帰る準備をしないといけない。 大雪だったり、いろいろあったりで予定していたことは半分しかできなかったが、友人ってありがたいなあと思う滞在だった。 
夕方、日本から撤退をしたハンバーガーショップ、バーガーキングのハンバーガーを「ひさしぶりでしょう!」とO嬢が買ってきてくれた。
外はあいかわらずの大雪だ。 ここまで降るともう車も通らないから静かなものだ。

マンハッタンの古いアパートはスチーム暖房がついている。 これは暖房設備がなけりゃ生死にかかわるから暖房設備のないアパートは賃貸してはいけないという法律があったので設置されているため料金はかからない。  (ちなみに水道代も家賃に含まれている場合のほうが多いです。) ただスチーム暖房は各部屋での温度調節などというものはできないからシューシューとずっと出っ放し。 よって室内はTシャツで充分の温度。 そして熱くなると零下の外気をいれるために窓を開けて温度調節をするのだ。

大雪の日に暖かい部屋でテレビをみつつ食べるハンバーガー。 こういう日はレストランにいくよりずっといい♪ 


Key Lime Pie

こりゃまいったね。 「それだけじゃないのよ!デザートもあるのよ!」とO嬢が出した紙バックをみて絶叫。
オイスターバーのキーライムパイじゃあないですか!

キーライムパイとはフロリダの名産キーライムというライムで作ったパイで甘酸っぱい味と香りが口の中に一杯ひろがるアメリカらしいデザートです。 

グランドセントラル駅の中にあるレストラン、オイスターバーは名前の通り牡蠣がおいしいシーフードレストランなのだが、デザートのキーライムパイは私のお気に入りだった。 それを覚えていてくれてわざわざ仕事の帰りに寄ってくれたのだ。 まさかデザートだけをテイクアウトできるとは思いもしなかったわよ。O嬢なんて気がきく子になったのよおおおおおおお、と感動していたら、

 「ほらあ、昔一回一緒に行った時丁度これだけ売り切れでレストランで暴れそうになったじゃない。 だから覚えていたのよ。」といわれた。 私の場合食事に関しては堪え性がないので、そんなことは日常茶飯事だから覚えていない。 朝登校前に「今日はハンバーグ」と聞いていて頭の中がハンバークモードになっていたのに家に帰ったらカレーだったりして暴れそうになることってあるでしょ? ない?(汗) 
おいしい紅茶をいれて堪能いたしました。


結局さ

百貨店ブルーミングデールズの袋の後は雪で埋まっている窓があるのです。 O嬢のmomoさんと。やりのこしたことがあったり、行きたい理由ができたりですぐに再度渡米することになり、早速チケットを購入した。 おかげで帰ってきてすでに3週間もたっているのに、いまだスーツケースが部屋の真中で頓挫している状態。

人間って3年もいないと感覚的なものは完全に忘れるんだなあと思うことが沢山あった。ドアの開閉や鍵の回し方はまるで逆なので数日間は慣れなかったし、バス停も逆なのに(走行車線が右なのだからあたりまえと頭では理解していても)とっさに道路の右側で探してしまう。 トイレットペーバーは分厚いのにいつもの感覚でホルダーからカラカラとまわして使ったら、あわやトイレをつまらせそうにしたり。(正直このときばかりは焦った) 次回は大丈夫とは思うけど。。。。

世間はきな臭い状態だがそれでもやはり東海岸、そしてニューヨークが好きなんだなとしみじみ思いつつ、O嬢が土産にくれて冷凍して持ち帰ってきた本場のベーグルを毎日トーストして食べている今日このごろだったりする。 本場のベーグルは顎が痛くなるくらいに歯ごたえがあるのだが、このほうが私は好きなんですな。 感覚は忘れたくせに味覚は忘れていない模様。

またすぐに行ってきますです。


おわり