京都de花見大作戦

前夜
暖冬のせいもありすでに東京の桜は葉桜となってしまっていた。 それに環境のせいなのか都会の桜は年々色が薄くなっているという。 うむむ、確かにピンクというよりゃ白に近い。 そんなときにJR東京駅には「これでもか!」というくらいに桜の名所でとったポスターとキャンペーンコピー「そうだ、京都いこう」が私を誘惑していく。 最終の新幹線などに間に合わないくらいに時間に終われている時期だったが、深夜バスってのがあることを知った。 行く!絶対にピンクな桜で花見をする!と決心。 数日後の3月28日木曜日、「どしゃぶりの雨ですよ。 きっと明日も雨だし桜散ってるね。 3人の中で雨女いるんじゃないの?」 京都で会うことになっていた大阪に住んでいる3人のも元同僚S氏から電話での知らせが入る。 

「雨女のつもりは3人ともないんだけどなー。 多分私達がいったら晴れてるだろうけど、雨の京都もいいもんかもね」と、あくまでも前向きだけがとりえな私達。 前向きというより頭がサクラサクラだから考えなしともいわれるけどさ(ーー;)

O嬢は高校の修学旅行以来、私は19歳の時の家族旅行以来、そしてM子には初めての京都旅行さあ。

深夜長距離バス

車内にて。 「晴れるといいねえ」3月29日金曜日夜10時半。 東京もドシャブリの雨だよ。 残業も終わり、コンビニで夜食を買い込んで東京駅でO嬢、M子と待ち合わせ。 深夜バスなんてそんなに乗っていないと思ったのになーんとその日の夜10時50分発の京都行きのバスは1号車から5号車までありました。 チケット見てみりゃ3号車ってなってるじゃん。 それすら気がつかなかったよ。 一緒に旅行するO嬢とM子はNY時代の同僚でアメリカの長距離バスには慣れていたけど、都内の高速道路の渋滞と大雨で閉所恐怖症ぎみな私はドキドキしていた。

だってさ乗客の乗るバスの2階は高さも手伝って揺れがすごい。 「首都高ってこんなに道ボコボコなんだー」って実感したくらいに振動が伝わってくる。 おまけに前も横も全部カーテンで仕切られていて密室だ。 外がどんな渋滞なのか、どうして運転手さんが、ブレーキを踏んだのかがわからないで揺れる。ああ、お外が見たい!一体どこを走っているんだろう。 気分は拉致状態。 下(一階)だったら揺れも少ないし運転席から外も見えるんだろな、と思っていたらどうも一階は座席ってのはないらしい。 運転手さんが交代で休むスペースとなっているようだ。
 
出発してから30分もすると車内灯が消えた。 夕食がわりのコンビニおにぎりも食べたし、3人とも日ごろよりも睡眠時間がとれるという事に気がついてそのままガイドブックも読まず寝る。 雨の音がバスの天井に響いているよぉ。 桜!散らないで待ってねぇ。


京都駅
京都駅タワーも青空よろこんでますぜ。なーんてことなく寝ている間、翌朝7時には京都駅についてました。うほほほほ、晴れてるよ♪

思ったよりも快適じゃん!バス!と3人とも満足に京都駅に到着さ。 そしてヨーロッパみたいな京都駅にびっくりだ。 今回の旅行のことを話すと「じゃあの駅できてから行ってないんだ。」といろんな人に言われてたから楽しみにしていたんだ♪

まだ人影まばらな駅内でコーヒー飲んで、洗顔してさっそく第一目的の嵐山に向けて出発しまーす。

(写真:駅(左)、タワーも青空喜んますぜ(左)

天龍寺
天龍寺一番のりぃ♪
京都駅から乗った電車は目的の嵯峨嵐山まで20分くらい。 車窓からは桜が見える見える。 心配していた散ったあとどころか、葉桜どころか満開じゃないのぉぉぉぉぉ。 
 
ヾ(@^▽^@)ノわはは、 幸先いいぞお。

ガイドブックも読んでない。 前情報はJRのキャンペーンポスターのみで天龍寺までやってきた。 どうせ人が沢山いるほうに歩いていけば到着するでしょ、なんてことも思っていたが、早朝すぎて人がほとんど歩いてない。 それでもM子の「野生の勘」であっという間に到着。 天龍寺一番乗りでした!

サクラサクラ

どこへいっても満開です。桜も沢山さいている。 思ったとおり桜の色が東京よりも濃い。

そろそろ10時。 いやあ、朝から余裕です。 天龍寺のお庭の桜を見つつ花見を楽しんでやっとここでこれからの予定をたてることにした。

私の目的は桜だったから半分は満足した。 あとは知恩院の桜と観音像と唐辛子屋。 O嬢は銀閣寺とバック屋さん。 M子は「もうどこでも付いていくっす!」ということで簡単だ。 余裕で観光できそうよ♪
 


渡月橋

渡月橋ってのが桜が綺麗と聞いて歩いて向う。 途中行列していたコロッケ屋さんでコロッケ一個だけ買って3人で分けて食べる。 ホカホカよコロッケ♪

多少風が強かったけど、まだ花吹雪にもならないでしっかりと咲いている桜。 うーん、来てよかったねえ。 と橋をいったりきたりしたり川沿いの桜を堪能。


湯豆腐

お豆腐大好きです。人もだんだんと増えてきたので、早めのお昼に向かう。 湯豆腐にした。
そこの店員のおばちゃんがおもしろかった。
O嬢「キツネうどんください。」
M子「湯豆腐お願いします。」
私「湯豆腐とお抹茶ください。」
M子「あと甘酒おねがいします。」

ハイハイと言いつつ、しっかりオーダーをメモしたおばちゃん。 「はい!キツネうどんと湯豆腐3つね。」。。。。。 どう聞いたらそうなるのかわからん。

後の学生風の男の子2人は「天ザル」と「カツ丼」を頼んでいたが出てきたのは「カツ丼」と「キツネうどん」だったようだ。 男の子が「僕、天ザル頼んだんですけど。。。。」と言ってみたものの、「ごめんね、でも作っちゃたから」と肩をとんとん叩くおばちゃん。 諦めモードが入った学生は大人しくキツネうどんを食べていた。 そして、そのキツネうどんを食べ終わったころにまたおばちゃんが「遅くなってごめんねえ」と天ザルを持って登場した。 笑いをこらえるのにこっちは必死だ。

それも食べたかどうかを見届けたかったが、時間もないので席を立つことにした。 


一澤帆布
京都市内に戻ってきてS氏と合流。 
どうも彼の住んでいる市内は今朝も雨がふっていたらしい。 「おかしいなあ」を連発のS氏に「アンタが雨男なだけじゃん!」と3人で突っ込みまくってS氏の車に乗り込む。 

次の桜トリップの目的地、知恩院に行くつもりの私達だったが、昼食をかねて、どこかへ連れて行く予定をたてているというS氏は車を別方向へ走らせようとしている。 伏見区というところへ行くらしい。 「ちょっと待った! お昼の前にどうしてもひとつ買い物にいかせてくれぃ!」とO嬢リクエストの一澤帆布へ行ってもらうことにする。 今回の旅のリクエストのひとつ、有名なここの手作りカバンをゲットしたい!というのがあった。 人気もあるお店なので売り切れたら閉店とかだし、やっぱりここは買い物が先だあ。  

お店は噂のとおりに混んでいた。 到着したのは12時半くらいで、お店の開店は土曜日は11時だそうだが、壁にかけてあるショルダータイプのバックはほとんど売り切れだった。 私もM子も記念にと3人色違いのトートバックを購入。 おそろい買っちゃうなんて、なんか学生の旅行みたいで楽しいぞぉ。 

そのまま歩いて5分もかからない知恩院に行きたくて仕方がなかったが、腹へったらしいS氏が「夜桜も見れるから」というので後ろ髪を思いっきりひっぱられながら車にのりこむ。

酒粕ラーメンと月桂冠大倉記念館
記念写真の王道樽の下にいるのです。昼食で湯豆腐を食べてるんだけど。。。といってみても「んなもん腹にたまるわけがない!」と一蹴されてまた昼食にむかう。 酒粕ラーメンってのを食べに行ったよ。 変わってた。 





S氏:「じゃ、このまま月桂冠の記念館にいきまーす。」
と、月桂冠の記念館にてひととおり昔のお酒の作りかたを見学する。 
そして試飲。 その中の一つがやけに美味しく感じたので、そのまま買い込んで宅急便で送ってもらうことにした。
持って帰ろうかどうしようか悩んでいたらお店のおじさんが「試してみますか?」とお酒を3本いれた袋を差し出した。 もってみるとやはり重い。 S氏の車で移動しているものの、この後もお買い物するかもしれないしなあ。 やはり宅急便にしてそのかわりもう一本追加した。 全部自分用ってことではないのよ。 (。-_-。)

知恩院の近くパート2

「ねいねい、本気でそろそろ寺へ行きたいんだけどー。」と行ってみる。 その後十数分走ってまた同じ道にもとって来て知恩院前へ♪。。。。。そして通過。 ( ̄□ ̄;)!!

「ちょ、ちょっと! なんで通過するのー?」と訴えると、どうも車は比叡山延暦寺を目指していたらしい。 延暦寺だとぉおおお?知恩院と清水寺は京都が初めてのM子にも行ってもらいたかったし、桜が見事だと聞いていたので私も行きたいのさ。 昔行ったことあるけど何ひとつ覚えてないのだ清水寺。 O嬢リクエストの銀閣寺だってまだ残っている。 京都観光が始めてなM子に伏見区のラーメン屋やお酒の記念館、そして延暦寺に行ってしまうのはNYで自由の女神とエンパイヤ-ステートビルに行かないで対岸のニュージャージー州の地ビール屋やショッピングセンターに連れて行ってるようなもんじゃないのか?と少し心配にもなった。 でも前向きM子は「いいっすねえ、知らない京都っす!」と喜んでいるからいいのかもしれない、それでもやはり比叡山は遠い。 今回はやめてもらおう。

さあ。 今度こそ知恩院だ! とワクワクしていたら。 「甘いもの食べたくないですか?」と急に言い出したS氏の誘いでなぜかまた反対側の街中の方へおりていき、甘味屋さんへ。 お腹がそろそろ悲鳴をあげてきたよ。 私は食べるときはものすごく食べるのだがここ数ヶ月、一回の食事量はものすごく少なかったのよ。 別にダイエットってわけでもないんだが胃の調子がいまひとつでさ。 チマチマ食べるんだったらいくらでも食べれるんだけどねえ。 でも抹茶ゼリーのパフェは美味しかったよ。 すぐ近くの原了郭の黒七味も購入。 ここの七味も香りがよいのよ♪


三年坂と清水寺

坂登り開始仕方がない。 知恩院は今回は諦めるしかないらしい。 それならあの三年坂にある七味屋に行って唐辛子の土産を買おう(ここの唐辛子と山椒も好きなのさ♪)。 そして、清水寺だけでもいかないと。 とS氏と一旦別れて歩いて清水寺方面へ。 三年坂は人がいっぱいだった。 坂を登るだけ登って、目的の唐辛子と山椒も買った。 O嬢とM子はオフィスへのお土産の生八橋(あんこなし)やあぶらとり紙も買った。 歩いている途中O嬢が猫ものが沢山あるお店を発見してくれて猫の置きものも買った♪ 

日も落ちてきて6時半からの清水寺夜の特別参拝に行くつもりだった私達だが、あいにく、ものすごーい行列。 おまけに今から拝観料を買う人は別の列らしい。 最終の新幹線で東京に戻るので、もしも駅に時間通りに戻れなかったら大変だしと仕方がないが清水寺も諦めることになった。 うーむ残念だ。 ごめんよM子。

でもM子はいたって前向きだ。 「楽しいっす。 楽しいっす。」を連発してる。 次に京都にきたときに真実を知るかもしれないが楽しんでいるからまーいいか。


知恩院の近くパート3

後はO嬢のモデル、モモさんそろそろ夕飯と思って考えている店があるんですよ。 待ち合わせの場所に現れた満面の笑顔のS氏。。。。もう食べられない(涙)と思っているのは私だけで他の2人はもうお腹がすいてきたらしい。 さっき生八橋思いっきり試食してたじゃん。(@@;)

 「その店どこにあんすか?」とM子が聞くと「知恩院の近くです!」との事。 知恩院までの道ならだんだん覚えてきたよ、今後は運転できそうなくらいだよ。(笑) なんせ同じ駐車場にこの数時間で4回いれてんだもん。

おうどんや蕎麦、そしてお勧めという「キツネ丼」ってのを頼んだ。 親子丼みたいだが、鶏のかわりに甘辛に似た短冊きりの油揚げの入ったどんぶりだった。 食べたといっても私はみんなのを3口ほどもらっただけだった。 美味しかったが苦しかった、食道から大腸まで食べ物がつまっている感じがするよ。 とほほ。

そのまま祇園をブラブラ歩く。 夜桜が綺麗だねえ。 とうっとりする。 一眼レフと三脚持ったカメラ愛好家さんも沢山いるよ。 素敵な写真がとれるとよいね。


まだ食うのか?

でもお土産に買ってかえったのよ。S氏:「じゃデザートに豚まんかひと口餃子食べに行きましょう。」
M子:「お!いいっすねえ」
O嬢:「餃子餃子ぁ〜♪」
私:「なんですとぉおおおお (@@) あんたらだけで食って来い! アタシはそのまま寺行って出家してやる!もうひと口だって入らんわ 」とキレぎみな私。

これ以上何をいっても食べれません。 食べ物の話されるだけで辛いです状態の私の意見がやっと聞いてもらえて、コーヒー飲んで一息つくことにした。しかし、あいかわらず〇〇のカツカレーを食べさせたかった、とか〇〇のラーメンは最高だ、とかの話が延々と続いた。  

そろそろ駅に向うことにする。
途中で通ったお好み焼き屋さんが美味しそうだったが、食べれないから店のマスコットと一緒に写真とらせてもらった。 しかし見れば見るほどおいしそうだし、ネギは山盛り、こんにゃくやちくわのみじん切りとかも入っているなんとも珍しいお好み焼だ。 さっきはもう食べ物の話すら出家したいくらいに聞きたくなかったが、コーヒーを飲んだら少しは考えるくらいの余裕は出来てきたようだ。 今は無理でも、明日なら食べれるか?と思い3人ともお持ち帰り用に包んでもらう。
 


おもいっきり。。。。

フラッシュで真っ白ですぅ31日にM子の予定があったので最終の新幹線にて東京へ。 
 
実は今回の旅で一番困ったのはトイレだった。 3人とも慣れていないせいもあって、できれば和式は使いたくない人たちなので(中でも私はほとんど不可能です(恥))、どこへいってもまず1人がトイレ見学に行って帰ってくると、
「どーよ?」
「おもいっきり和!」 とか「洋!レベル2」とかの合言葉までできた始末。 レベルは衛生面ランキングだった。 絶対にここは外国人も多いから平気だろうと思った場所が「和」だったりもした。

帰りの700系のぞみは私が先行視察係。
「どーよ?」の2人の言葉に「この旅で一番の洋!」と答える。 3人とも大笑い。 
24時間笑いっぱなしだった旅になった。
7時間かけてやってきた京都の帰りはあっという間の2時間半。 寝る暇すらない。 バカ話しているうちに東京に着いちゃったよ。 


またね京都

余は満足なりなり。楽しかった怒涛の24時間なショートトリップでした。 桜トリップが途中底なし胃袋のS氏の参加で食い倒れの旅に変更となりましたが、まあ桜がみれたからいいや。

西洋美術から現在東洋美術にも興味がでた私としては観音像や建築物ももっと見たかったし、O嬢もM子も「またこようか?」と行っているので次回は2,3泊してゆっくり回ろうと思ってます。 今度はバスじゃないとは思うが、バスも寝ることすら出来る人なら快適です。

でも怒涛トリップ第2段は京都じゃないところへ行くことがすでに帰りの新幹線で決定したのでそれの下調べを始めてます。 へへへ。

とにかく、私の「2002年桜への野望」は達成されたのでめでたし、めでたしでしたー。